Oracle Database 19c と SQL Developer のインストール

このページでは「Oracle Database 19c Standatd Edition 2」と「Oracle SQL Developer」のインストールを行います。
記事の投稿時点では「Oracle Database 23ai」の製品版のリリースが延期されており、21c はサポートが切れてしまっているため、19c をインストールしました。
Oracle Database 23ai Free が公開されていますが、細かい設定を確認したかったため、19c にしました。
インストールの設定は、基本的には「標準インストール」と変わらないのですが、設定内容の確認のため「拡張インストール」で行っています。

■ インストール手順

以下の1~4の順にインストールを行い、最後に Oracle SQL Developer から DB へ接続確認を行います。

  1. Oracle Database 19c、SQL Developer のダウンロード
  2. Oracle Database 19c のインストール
  3. DB 作業用ユーザーの作成
  4. tnsnames.ora の編集と SQL*Plus から DB への接続確認
  5. Oracle SQL Developer のインストール
  6. Oracle SQL Developer から DB への接続確認

[使用 PC]

以下の仮想サーバーへインストールします。

 OS:Windows Server 2025 評価版
 CPU:6コア
 MEM:8GB
 HDD:Cドライブ:50GB、Dドライブ:30GB(DB用)

 ※インストール PC は、Windows 11 等でも大丈夫かと思います。


1. Oracle Database 19c、SQL Developer のダウンロード

以下のサイトから Oracle Database 19c をダウンロードし、任意の場所へ保存します。
Oracle アカウント必要なため、あらかじめ作成しておいてください。

・ オラクル・データベース・ソフトウェアのダウンロード – Oracle 日本
 https://www.oracle.com/jp/database/technologies/oracle-database-software-downloads.html

Oracle Database 19c をダウンロード
Oracle Database 19c をダウンロード

今回は「Oracle Database 19c for Microsoft Windows x64 (64-bit)」版の「WINDOWS.X64_193000_db_home.zip」をダウンロードしました。

次に「Oracle SQL Developer」をダウンロードし、任意の場所へ保存します。

・Oracle SQL Developer
 https://www.oracle.com/jp/database/sqldeveloper/technologies/download/

Oracle SQL Developer をダウンロード
Oracle SQL Developer をダウンロード

今回は、SQL Developer 24.3.1 の「Windows 64-bit with JDK 17 included」版の「sqldeveloper-24.3.1.347.1826-x64.zip」をダウンロードしました。


2. Oracle Database 19c のインストール

続いて「Oracle Database 19c」のインストールを行います。
ZIP ファイルの展開後、インストーラを実行します。

■ ZIP ファイルの展開

最初に 1. でダウンロードした ZIP ファイルを展開します。
展開後のファイルが Oracle Database の本体となりますので、インストール後も保存可能な場所へ展開してください。
今回は、ZIP ファイルを展開後、以下のフォルダ名へ変更しました。

 展開先:D:\oracle_db_home

展開先:oracle_db_home
展開先:oracle_db_home

■ Oracle Database 19c のインストール

続いて先ほど展開したフォルダの「setup.exe」を実行して、インストールを開始します。
基本的には「標準インストール」と変わらないのですが、設定内容の確認のため「拡張インストール」で行っています。
設定内容は、必要に応じて変更してください。

① 構成オプションの選択
初期設定のまま変更せず、「次へ」をクリックします。

構成オプションの選択
構成オプションの選択

② システム・クラスの選択
今回は、設定内容を確認するため「サーバー・クラス」を選択し、「次へ」をクリックします。

システム・クラスの選択
システム・クラスの選択

③ インストール・タイプの選択
こちらも、設定内容を確認するため「拡張インストール」を選択し、「次へ」をクリックします。

インストール・タイプの選択
インストール・タイプの選択

④ データベース・エディションの選択
今回は、検証等で使用するだけのため「Standard Edition 2」を選択しました。

データベース・エディションの選択
データベース・エディションの選択

⑤ Oracle ホーム・ユーザーの指定
初期設定ののまま「次へ」をクリックします。

Oracle ホーム・ユーザーの指定
Oracle ホーム・ユーザーの指定

⑥ インストール場所の指定
こちらに、インスタンスの作成に必要なファイルが格納されます。
必要に応じて、インストール先を変更してください。
今回は空き容量の関係で、以下の場所へ変更しました。

 Oracle ベース:D:\oracle

内容を確認し、「次へ」をクリックします。

インストール場所の指定
インストール場所の指定

⑦ 構成タイプの選択
初期設定のまま「次へ」をクリックします。

構成タイプの選択
構成タイプの選択

⑧ データベース識別子の指定
初期設定のまま「次へ」をクリックします。

データベース識別子の指定
データベース識別子の指定

⑨ 構成オプションの 指定
今回は、初期設定のままですが一通り設定項目を確認しておきます。
確認後、「次へ」をクリックします。

構成オプションの 指定 - メモリー
構成オプションの 指定 – メモリー
構成オプションの 指定 - キャラクタ・セット
構成オプションの 指定 – キャラクタ・セット
構成オプションの 指定 - サンプル・スキーマ
構成オプションの 指定 – サンプル・スキーマ

⑩ データベース記憶域オプションの指定
こちらに、DB の実際のデータ等のデータベースファイルが格納されます。
必要に応じて、インストール先を変更してください。
今回は空き容量の関係で、以下の場所へ変更しました。

 Oracle ベース:D:\oracle\oradata

内容を確認し、「次へ」をクリックします。

データベース記憶域オプションの指定
データベース記憶域オプションの指定

⑪ 管理オプションの指定
初期設定のまま「次へ」をクリックします。

管理オプションの指定
管理オプションの指定

⑫ リカバリ・オプションの指定
初期設定のまま「次へ」をクリックします。

リカバリ・オプションの指定
リカバリ・オプションの指定

⑬ スキーマ・パスワードの指定
今回は、同一のパスワードを使用するため「すべてのアカウントに同じパスワードを使用」を選択しました。
「パスワード」を入力し、「次へ」をクリックします。

スキーマ・パスワードの指定
スキーマ・パスワードの指定

⑭ 前提条件チェックの実行
インストールの条件チェックが開始されますので、完了するまで待ちます。

前提条件チェックの実行
前提条件チェックの実行

⑮ サマリー
チェック結果が表示されますので、内容確認します。
「インストール」をクリックすると、インストールが開始されます。

サマリー
サマリー

⑯ 製品のインストール
インストールが開始されますので、完了するまで待機します。

製品のインストール
製品のインストール

⑰ インストール終了
以下のような画面が表示されれば、インストール終了です。
「閉じる」をクリックして終了します。

インストール終了
インストール終了

3. DB 作業用ユーザーの作成

次に SQL*Plus で作業用のユーザーを作成します。
管理者「sysdba」とは、別に普段の作業で使用するユーザーを追加します。
今回は、例として以下のユーザーを追加しましたが、設定内容は、必要に応じて変更してください。

 ユーザーID:testuser
 パスワード:password1

ユーザーの作成はコマンドプロンプトを起動し、SQL*Plus で行います。
作業の流れは、以下のようになります。

■ 作業の流れ
 ① SQL*Plus で 管理者「sysdba」で Oracle DB へ接続
 ②③ PDB(ORCLPDB) の状態確認
 ④ セッションを「ORCLPDB」へ変更
 ⑤ PDB(ORCLPDB) をオープン
 ⑥⑦ PDB(ORCLPDB) の状態確認
 ⑧ 作業用のユーザー作成
 ⑨ 作業用のユーザーに権限付与
 ⑩ Oracle DB から切断

先に、実行結果を載せておきます。

DB ユーザーの作成
DB ユーザーの作成

① SQL*Plus で 管理者「sysdba」で Oracle DB へ接続
コマンドプロンプトを起動し、SQL*Plus で Oracle DB へ接続します。
以下のコマンドで、管理者「sysdba」で接続します。
正常に接続されると「SQL>」のように、コマンド入力待ちの状態になります。

 コマンド①:sqlplus / as sysdba

②③ PDB(ORCLPDB) の状態確認
初期 PDB(ORCLPDB)の状態を確認するため、以下のコマンド②を実行します。

 コマンド②:SHOW PDBS

④ セッションを「ORCLPDB」へ変更
⑤ PDB(ORCLPDB) をオープン
③の PDB(ORCLPDB)が「MOUNTED」になっているため、以下のコマンド④でセッションを変更し、コマンド⑤でPDB をオープンします。

 コマンド④:ALTER SESSION SET CONTAINER = ORCLPDB;
 コマンド⑤:STARTUP OPEN;

⑥⑦ PDB(ORCLPDB) の状態確認
以下のコマンド②を実行し、PDB(ORCLPDB)が「MOUNTED」→「READ WRITE」に変更されたことを確認します。

 コマンド⑥:SHOW PDBS

⑧ 作業用のユーザー作成
準備ができましたので、作業用のユーザー「testuser」を作成します。
以下のコマンド⑧を実行し、ユーザーを作成します。

 コマンド⑧:CREATE USER testuser IDENTIFIED BY “password1”;

⑨ 作業用のユーザーに権限付与
作業用のユーザー「testuser」に、権限を付与します。
今回は、以下のコマンド⑨を実行し、CONNECT 権限と RESOURCE 権限を付与します。

 コマンド⑨:GRANT CONNECT,RESOURCE TO testuser;

⑩ Oracle DB から切断
作業用ユーザーの作成ができましたので、以下のコマンド⑩を実行し、Oracle DB から切断します。

コマンド⑩:quit

以上で「DB 作業用ユーザーの作成」は終了です。


4. tnsnames.ora の編集と SQL*Plus から DB への接続確認

ここではネットワーク経由で「PDB(ORCLPDB)」へ接続するための設定を行います。

■ tnsnames.ora の編集

設定の変更は、以下の設定ファイル「tnsnames.ora」を編集して行います。
パスは、インストール先に合わせて読み替えてください。

 設定ファイル:D:\oracle_db_home\network\admin\tnsnames.ora

テキストエディタで「tnsnames.ora」を開き、以下のように ORCLPDB 接続用の設定を追加して保してください。

tnsnames.ora 編集後
tnsnames.ora 編集後

以下、tnsnames.ora の追記部分のサンプルになります。
一つ上の「ORCL」の設定をコピーして、赤線部分を変更してもよいかと思います。
サーバー名等は、適宜変更して下さい。

ORCLPDB =
  (DESCRIPTION =
    (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = WINSERV2025)(PORT = 1521))
    (CONNECT_DATA =
      (SERVER = DEDICATED)
      (SERVICE_NAME = ORCLPDB)
    )
  )

■ SQL*Plus から DB への接続確認

SQL*Plus から「ORCLPDB」への接続確認を行います。
コマンドプロンプトを起動して以下のコマンドを実行し、正常に接続できることを確認します。

コマンド:sqlplus testuser/password1@ORCLPDB

SQL*Plus からの接続確認
SQL*Plus からの接続確認

接続後、以下の SQL 文を実行して、Oracle Database のバージョン が出力されることを確認します。

 SQL 文:SELECT * FROM V$VERSION;

Oracle Database のバージョンが出力されれば、接続確認完了です。
「quit」を入力して、SQL*Plus を終了します。


5. Oracle SQL Developer のインストール

続いて「Oracle SQL Developer」のインストールを行います。

■ ZIP ファイルの展開

最初に 1. でダウンロードした ZIP ファイルを展開します。
展開後のファイルが SQL Developer の本体となりますので、インストール後も保存可能な場所へ展開してください。
今回は、ZIP ファイルを展開後、以下のフォルダ名へ変更しました。

 展開先:D:\SqlDeveloper

SQL Developer
SQL Developer

インストーラはありませんので、以上でインストールは終了です。


6. Oracle SQL Developer から DB への接続確認

SQL Developer から「ORCLPDB」への接続確認を行います。
5. でインストールしたフォルダ内の「sqldeveloper.exe」を実行し、SQL Developer を起動します。
「インポート・プリファレンスの確認」が表示されますが、新規インストールのため、「いいえ」をクリックします。

インポート・プリファレンスの確認
インポート・プリファレンスの確認

さらに「Oracle使用状況トラッキング」の内容を確認し、「OK」をクリックします。

Oracle使用状況トラッキング
Oracle使用状況トラッキング

SQL Developer 起動後、データベースの接続設定を行います。
左上の「」ボタンのメニューを表示し、「新規データベース接続」をクリックします。

SQL Developer 起動後
SQL Developer 起動後

「データベース接続の作成/選択」画面が表示されるため、下の赤枠部分に接続先の DB の設定を入力します。
設定内容は、必要に応じて変更してください。
「テスト」をクリックすると接続確認ができますので、正常に接続されることを確認します。
問題なければ「接続」をクリックして DB へ接続します。

データベース接続の作成/選択
データベース接続の作成/選択

DB 接続後、左上のツリーに接続先「ORCLPDB」が追加されます。

SQL Developer - DB 接続後
SQL Developer – DB 接続後

次に、SQL 文の実行確認を行います。
「ORCLPDB」タブのワークシートに、以下の SQL 文を入力してツールバーの「」をクリックします。

 SQL 文:SELECT * FROM V$VERSION;

下段の「問合せ結果」タブに、Oracle Database のバージョンが出力されれば、実行確認完了です。

「ORCLPDB」から切断するには、 接続ツリーで「ORCLPDB」のメニューを表示し、「切断」をクリックします。

SQL Developer - DB からの切断
SQL Developer – DB からの切断

以上で「SQL Developer から DB への接続確認」は終了です。


■ 更新履歴

[2025/07/21]新規投稿